認知症と難聴-補聴器との関係-
「難聴も認知症の危険因子」
厚生労働省発表(2015年1月)
難聴になると認知症のリスクが高くなる—
そんな報告が厚生労働省から発表されたのはご存知でしょうか?
高齢化社会日本に迫る身近な問題「認知症と難聴」についてご家族といっしょに考えてみませんか。
■日本人の高齢者4人に一人が認知症
日本の認知症患者者は約462万人(2012年厚生労働省調べ)。高齢者の4人に一人は認知症、または、その予備軍といわれています。団塊世代が後期高齢者となる2025年には患者数が700万人を超えるといわれています。2015年1月に政府は、高齢化が急速に進む日本の問題に、認知症の対策強化にむけて、国家戦略「認知症施策推進対策プラン」を策定。認知症発症予防の推進と認知症高齢者の日常生活を支える仕組みづくりの構築に国を挙げて取り組みはじめました。
■難聴は認知症の発祥原因の一つ
認知症施策推進プランは、認知症危険因子に「加齢、遺伝子のもの、高血圧、糖尿病、喫煙、難聴などをとりあげており」難聴が、認知症の発症要因の一つとしています。
そしてその予防には、運動や栄養改善、趣味活動、日常における取り組みの必要性についても言及して言います。難聴の早期診断・早期発見、そして補聴器による聴覚補償は、認知症の発症予防につながる可能性があります。
■聴こえにくさは、自覚しにくい
聴力は30歳くらいから低下し、60代から聴覚の老化がさらに進むといわれています。しかし加齢による難聴は徐々に低下していくため、本人も気付かないまま対応が遅れることが少なくありません。難聴はめにみえにくいものであり、周囲の人からも理解されにくい面もあわせもっています。「テレビの音が大きすぎるので一緒に見ない」「同じことを繰り返し尋ねられるので面倒」など難聴に対する理解不足のために人間関係にも影響を及ぼします。
■難聴は様々なライフスタイルに影響
聴力が衰えてくると、次第に会話も困難になってきます。
聞き間違いや、何度も聞き返したりをくり返すうちに自身を失い、話すことがおっくうになってきて、後ろ向きな考え方や生き方になってしまいかねません。聞いて理解する事が大きな負担になり、家族や友達との交流が次第に不足、精神が低迷し、認知症につながっていく可能性もあります。聴こえの問題はまずは本人の自覚と認識から。もし聞こえに不安を感じたらまずは、お近くの耳鼻咽喉科にご相談してみましょう。
「声をかけても返事がないから余計な話はしない」
聞こえの問題で、家族や友人とコミュニケーションがしにくいと感じていませんか?