Archive for the ‘補聴器について’ Category
音は大きく聞こえるのに会話がはっきりしない-補聴器フィッティングNO.1
通常、音は、一点ではなく、さまざまな周波数帯にわかれて聞こえてきます。
お年とともに聞こえが低下してくる、加齢性難聴の特徴として低域の音量は残っていて、高音が低下するのが多いケースです。
聴力データ例
赤色○印=右耳聴力データ、青色x印=左耳聴力データ
・1khz以下の低域が「音量感」。広域が「会話の聞き取り」の役割
・グラフ状の聴力ラインより下が聞こえている範囲
・10~20dbあたりの楕円は20代頃のきこえの例を示して、現在の聞こえと比較しています。
「音量感は低下していない」が「会話の聞き取りは低下している」
こういう聴力の方は、音は聞こえるけど言葉の方が聞こえないとおっしゃる方が多い傾向があります。
音は聞こえると思いますが、
聞き返しは?
えって?、うん。などと
曖昧な答えが多くなっていませんか?
音はきこえるけど、会話の聞き取りは難しいのが現状のようです。
音量感はそのままに、聞き取りだけをあげる補聴器を選択していきましょう。
補聴器選定のポイント
低域が残っている聴力をお持ちの方の場合、耳穴タイプ(カナル式)や耳掛け型の耳栓タイプの補聴器だと補聴器装用時に自分の声などが響く傾向があります。
(あくまでも特性や傾向ですので、実際に補聴器販売店にて、耳栓タイプの補聴器を装用してみることをお勧めします。)
そういった方には、オープンフィッティング試聴をおすすめします。
補聴器装用者の中には、補聴器を購入したけど、耳の閉鎖感や自分の声のこもりが気になってつけれない。
補聴器を試聴した人の中に多い声ですが、解決策としてあげられるのが、耳栓部分に穴が開いた通気口があるオープン耳栓です。外の音を自然に取り入れ逆に耳穴の中にこもる余分な音を外に逃がして補聴器特有の違和感を軽減してくれる機能があります。
補聴器の装用は、耳の異常や治療がないことが前提です。耳垢がつまっている。過去90日以内に聴力の急激な低下を感じるといった場合は、まずは、お近くの耳鼻咽喉科にて見てもらうことをお勧めします。
宇部市補聴器のことなら補聴器センター中央で
補聴器の無料試聴はこちらから
補聴器の適応には、対象者(補聴器装用者)を知ること
難聴者のご家族やお友達をお持ちの方や補聴器販売者においても忘れがちなこと。
それは、補聴器を装用している対象者(補聴器装用者)を知ることです。
相手の気持ちになって物事を考えるとおのずとよい行いができるとよく言われることがありますが
補聴器においても同じことが言えると思います。
下記のいくつかの事例について、難聴者の気持ちになって考えてみましょう。
Q1.聴覚障害者は、朝どうやって起きるのでしょうか?
マッサージ器や扇風機、腕時計、夜に水を飲んで寝るという方法があるようです。
マッサージ器や扇風機のタイマーを使用して時間になったら電源が入るようにして、朝目覚める方法や、最近では、バイブレーター式の腕時計も販売されています。大音量で目覚ましをかけると周りの寝ている人にも迷惑なので腕時計のバイブレーターを利用して起きるという人も増えているようです。中には、健聴者にとっても朝早く起きてお弁当を作らないといけないため寝ている旦那さんを起こさないようにという配慮でバイブレーター式腕時計を使用している方もおられるようです。
夜に水を飲んで寝るというのは、夜に水を飲むと朝トイレに起きるという自然現象を利用した方法もあるようです。
このように健聴者にとっては、慣れ親しんでいないようなことが難聴者にとっては日常なんですね。
Q2.日本には、耳の全く聞こえない医師や弁護士がいるのでしょうか。
一昔前には、耳が聞こえないと難しいという考え方もありましたが、現在では、さまざまな進歩により例えば、医師の聴診器なども音が聞こえなくても光で振動に反応する機器なども普及し、すべての人に平等な仕組みになったようです。
Q3.日本の法律では、聴覚障碍者の運転免許取得には補聴器が必須条件でしょうか?
【聴覚障害者の運転免許取得について】
難聴者の方からもよく問い合わせや質問があるのですが、2008年(H20)6月1日より10mの位置から90dbの音が聞こえない場合(まったく耳が聞こえない場合)でも※ワイドミラーを装着すること ※標識を車に取り付け掲載すること を守れば耳が聞こえない方でも普通乗用車にのれることとなっています。(ただし普通乗用車などの車種に限られる)
聴覚障害者は、視覚によって交通状況の認知を行っているのでワイドミラーと聴覚障害者マークの取り付けが必須になっています。
2016年からは、補聴器装用で10m離れた場所からのクラクションが聞こえればすべての車種において運転が可能になるようです。(タクシーなど)
耳なりの研究
■耳鳴りの研究
耳鳴りと難聴は深い関係があり、補聴器が注目されています。
人口の1割、高齢者の3割の人が感じているという耳鳴り。実は、耳ではなく脳で起こっていると考えられています。何らかの原因で、みみから音の信号が少なくなると、脳が反応して、音の感度を上げようとし、脳が異常信号として耳鳴りの音を作り出してしまうというのが最近の見解のようです。
難聴を伴う耳鳴りの場合、補聴器をつけることで、耳鳴りも緩和するというケースが多くあります。
聞こえがよくなると、脳に正常な音の信号が伝わる為、脳が落ち着きを取り戻し、耳鳴りの元となる異常信号の発生を抑えるためと考えられています。
※聞こえや聴力の低下を感じた場合はまずは、お近くの耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。
認知症と難聴-補聴器との関係-
「難聴も認知症の危険因子」
厚生労働省発表(2015年1月)
難聴になると認知症のリスクが高くなる—
そんな報告が厚生労働省から発表されたのはご存知でしょうか?
高齢化社会日本に迫る身近な問題「認知症と難聴」についてご家族といっしょに考えてみませんか。
■日本人の高齢者4人に一人が認知症
日本の認知症患者者は約462万人(2012年厚生労働省調べ)。高齢者の4人に一人は認知症、または、その予備軍といわれています。団塊世代が後期高齢者となる2025年には患者数が700万人を超えるといわれています。2015年1月に政府は、高齢化が急速に進む日本の問題に、認知症の対策強化にむけて、国家戦略「認知症施策推進対策プラン」を策定。認知症発症予防の推進と認知症高齢者の日常生活を支える仕組みづくりの構築に国を挙げて取り組みはじめました。
■難聴は認知症の発祥原因の一つ
認知症施策推進プランは、認知症危険因子に「加齢、遺伝子のもの、高血圧、糖尿病、喫煙、難聴などをとりあげており」難聴が、認知症の発症要因の一つとしています。
そしてその予防には、運動や栄養改善、趣味活動、日常における取り組みの必要性についても言及して言います。難聴の早期診断・早期発見、そして補聴器による聴覚補償は、認知症の発症予防につながる可能性があります。
■聴こえにくさは、自覚しにくい
聴力は30歳くらいから低下し、60代から聴覚の老化がさらに進むといわれています。しかし加齢による難聴は徐々に低下していくため、本人も気付かないまま対応が遅れることが少なくありません。難聴はめにみえにくいものであり、周囲の人からも理解されにくい面もあわせもっています。「テレビの音が大きすぎるので一緒に見ない」「同じことを繰り返し尋ねられるので面倒」など難聴に対する理解不足のために人間関係にも影響を及ぼします。
■難聴は様々なライフスタイルに影響
聴力が衰えてくると、次第に会話も困難になってきます。
聞き間違いや、何度も聞き返したりをくり返すうちに自身を失い、話すことがおっくうになってきて、後ろ向きな考え方や生き方になってしまいかねません。聞いて理解する事が大きな負担になり、家族や友達との交流が次第に不足、精神が低迷し、認知症につながっていく可能性もあります。聴こえの問題はまずは本人の自覚と認識から。もし聞こえに不安を感じたらまずは、お近くの耳鼻咽喉科にご相談してみましょう。
「声をかけても返事がないから余計な話はしない」
聞こえの問題で、家族や友人とコミュニケーションがしにくいと感じていませんか?
補聴器を使用すると耳が悪くなりますか?
補聴器を装用しつづけると耳が悪くなる気がするので、いる時、必要な時だけ補聴器を使用します。
そういう風にときどき、おっしゃるお客様がいますが。。実際の所どうなのでしょうか?
○補聴器を一日中つけていると耳に悪影響があるのでは?
○補聴器をつけつづけると聴力が低下してしまうのでは?
このような質問に対しての答えはNOです。
適切にフィッティング(調整)された補聴器では耳を悪くする事はありません。しかし、必要以上に大きな音量や、大きな出力レベルで補聴器を長時間音を聞き続ければ耳を悪くしてしまいます。又、重度難聴用の補聴器の周波数特性で低周波数を必要以上に抑制して使用すると、補聴器装用者は、音の重量感がないように感じ、音量を上げて使用することがありますので注意が必要です。(音の重量感が低音域にあるため)
補聴器の使い始めは、本当にその音量が自分にあっているかどうかなど、補聴器を何度か調整してもらうようにしましょう。
補聴器を使用していても聴力はよくなりません。しかし、補聴器を使いコミュニケーションを行っていると語音明瞭度の低下を防ぐ効果はあるといわれています。
(聞こえや聴覚管理は耳鼻咽喉科と補聴器店が連携して行うことが推奨されています。)
※聞こえや聴力の低下を感じた場合はまずは、お近くの耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。
« Older Entries Newer Entries »