Archive for the ‘補聴器について’ Category
補聴器の電磁波やペースメーカーを入れている場合の影響は?
Q.補聴器から電磁波は出ていますか?又、身体に与える影響はどうなの?
補聴器から放射される電磁波は微弱であって、身体の健康に影響を与えるほど強くはありませんので安心してご利用いただけます。
ただ、補聴器を装用している方で、レントゲンやMRI・CTをうける時は、必ずはずすようにしましょう。
特にMRIは極めて強い電磁波を発生させます。そのため、補聴器の部品を破壊させてしまうことがあります。又、金属類やその他の物が近くにあると肝心な診断に誤りを生じさせるおそれもありますのでこのような検査を受ける場合は、補聴器は、原則的に装用しないようにしましょう。
よくわからない場合は、担当のお医者さんや受診時の医師の指示に従うようにしましょう。
両耳で補聴器装用している人は多いの?
Q.両耳補聴器装用している人は多いの?
日本ではまだ10%~20%程度で、米国では、70%程度だといわれています。
なぜこのように国の間で格差があるのでしょうか?
日本と米国では、食文化が違うように補聴器に関する文化や考え方の違いが原因になっていま
すし、日本と欧米では補聴器の聞こえに対する認識が異なる面をもっています。
文化の違い
米国の事例として、補聴器販売店が片耳装用とした例で両耳装用をおすすめしなかったため、
補聴器を装用していない耳側から車の音がきこえずに事故にあった顧客が販売店を訴えたという事例があります。両耳装用を勧めたなら事故は起きなかった可能性が高いとして、この事例以降、販売店は必ず両耳装用を勧めることが必要になった。これが米国で大きく両耳装用を勧める理由となったのはいうまでありません。
日本では、米国のように事例が生じても裁判や訴こうにはなりにくく、話し合いで解決という社会風土のようです。今後、欧米のようになると両耳装用率が増加するかもしれませんね。
耳だけでなく、私達の目や手や足も両方対で機能を発揮するものです。何らかの理由で片方しかつかえなくなるとやはり不便を感じることでしょう。耳についても両耳装用がいいのは理解して頂けると思います。
補聴器の両耳装用は、聴力レベルや耳の状態により適さない場合もあります。詳しくは、お近くの耳鼻咽喉科や補聴器専門店へ相談しましょう。
補聴器がピーピーいうのはなぜ?改善方法は?
補聴器のハウリングはなぜ起こるの?
補聴器がぴ~ぴ~ いってうるさい!などと周りの方は迷惑がっているのに当の本人は平気な顔をしているといったことはありませんか?この補聴器からでるピ~ピ~という音は、ハウリングと呼ばれています。
ハウリングを起こすと補聴器からぴ~ぴ~音が出ます。周囲の人はとてもこの音が耳障りで不快に感じます。補聴器をつけている本人にはこの音が聞こえない人もいますし、長期間ぴ~ぴ~音がでたまま補聴器を使用すると耳を悪くしてしまう可能性も出てきます。
ハウリングの仕組み
補聴器はマイクでとらえた音を大きく増幅し、イヤホンから出力しています。この大きくされた音が耳栓からもれ、マイクにもどり、その音が再び大きく増幅されます。この繰り返しでやがてぴ~ぴ~音に変化し不快な音に変化してしまうのです。
ハウリングの原因は?
ハウリング(ぴ~ぴ~音)の原因は、耳掛け型補聴器の場合、耳栓やイヤーモールドが耳にきちっとおさまっていない時や、耳穴式補聴器の場合は、形状がきちんと耳穴の形にあっていなくて音が漏れている時などに発生します。人それぞれ耳の形は千差万別です。耳掛け型の補聴器を使用している場合、耳栓の大きさを変えてもハウリングをとめられない場合は、その人専用の耳栓(イヤーモールド)をお使いになることをお勧めします。ハウリングがおこると、会話がききとりにくく、周囲の人も不快になります。是非、補聴器を購入されたお店で補聴器を診てもらうことをおすすめします。
幼児と高齢者のハウリング対策について
■幼児の場合は、作成時は、ハウリングしなかったイヤーモールド(耳栓)も成長とともに耳の形が変わってきて、隙間が生じそこから音が漏れだすといった現象を起こすようになります。成長の度合いにもよりますが、3ヶ月から1年に一回はイヤーモールドの修正か作り直しが必要になってきます。修正で補聴器のハウリングがとまらない場合は、作り変えます。
■高齢者の場合は、外耳道の皮膚の張力が弛みやすくなってきます。その為、ハウリングをおこさなかったイヤーモールドやオーダーメイドの補聴器もハウリングを起こすようになってきます。
イヤーモールドやオーダーメイド補聴器の形状を修正するかシェルの修正をするようにします。
補聴器に関する相談は、お近くの補聴器販売店へ相談するようにしましょう。
インフォームドコンセントの必要性
インフォームドコンセントの必要性
現在、さまざまな場所で補聴器が販売されていますが、補聴器購入者の方は、
補聴器に関する十分な情報を販売者側から受けているかということが大変重要になってきます。補聴器は医療器具として認定されており、その装用効果は、適切なカウンセリングに基づく機種の選択と調整によりその効果が発揮されます。補聴器装用者の方の中には、意外と補聴器のことをよく理解しないまま装用されている方が多いことに驚かされます。
インフォームドコンセントとは・・
欧米では1960年代に確立した概念で、医師側が患者の権利を無視して自分たちの都合だけで医療を行うことのないようにと、患者が医師から治療法などを「十分に知らされたうえで同意」すること。
日本では、1990年日本医師会が「説明と同意」と翻訳してその重要性が報告され一般的に知られるようになった。
補聴器の適合販売に当たっても、販売者と補聴器購入者の関係は、医師と患者の関係に近いものがあり、インフォームド・コンセントが非常に重要なのではないでしょうか。
補聴器販売におけるインフォームドコンセント
補聴器に関する十分な情報提供→本人に決定権→補聴器を買う
- 1.本人が正確に理解できるように説明
- 2.補聴器に関するメリットだけではなくデメリットに関しても説明
- 3.機種や型すべてにおいて説明
さらに、
- 1.補聴器を装用したときの効果と欠点について
- 2.装用の選択、両耳装用の効果と欠点
- 3.補聴器の機能
- 4.最低価格・最高価格
- 5.フィッティング方法(補聴器調整について)
- 6.必要経費・メンテナンス・保証について
補聴器の装用・販売に関わる倫理
補聴器を購入する際は、補聴器を装用した時の効果やメリットばかりを説明するのではなく、わずらわしさ、無効な場面などを事前に説明した上で販売を進めなければなりません。よいことだけを伝え、販売の支障になるような事柄は伝えないという行為は、本当のお客様の為の補聴器販売とはいえません。このためにも補聴器購入者自身が少し賢くなって補聴器を買わされるのではなく、自分自身が選んで決めるといった心構えが大事なのかもしれませんね。
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